深夜に、ビニール袋を持った女性が、その人の娘とおぼしき若者と歩いている。
何て事ない風景に見える。
しかし・・・・
ビニール袋を持った女性は、駐車場に入っていった。
娘は、自販機の前でヒマを潰している。
これはもしや・・・・?
私が契約している駐車場は、反町駅界隈では珍しく未舗装で、ほんの少しだが木も生えている。
そのせいもあってか珍しい鳥が訪れ、季節の移ろいを感じさせてくれたりする。
ある日。駐車場に車を停めドアを開けた時、何かと目があった事があった。
夜の闇の中でキラキラ輝くつぶらな瞳は、動かずにじっと私を見つめている・・・。
オヤッ・・と思って睨めっこをしているうちに目が慣れてきて、見つめる瞳の持ち主が見えた。
タヌキ・・・・だ。
第2京浜のすぐ側の駐車場で、かなり大きいタヌキと見つめあう・・・
思わず爆笑してしまうとその声に驚いたのか、タヌキはもっそりと踵を返し、
スタスタと歩いていってしまった・・・・。
こんな土と草と木のある場所は、この辺りでは戸建ての庭かこの駐車場くらい。
だから、動物達が集まってくるのだろう・・・・。
しかし動物が集まってきて、かなり広い土の広場があったらどうなるか?
そう、彼等にとっては「よいトイレ」となってしまうのだ。
駐車場は、近隣から集まる野良猫?、犬、鳥、狸?等の糞で、
気を抜いて歩くと必ず踏んでしまう程。
もし車のタイヤで踏んでしまうと、大変だ。
何となく臭い車に変身できてしまう・・・・・。
不思議なのは、その糞をする場所。
何故か駐車場の端では行わず、通路となっている部分にモッコリ・・・と。
質が悪いのは、轍で掘れた所を選んでスル奴等。(タイヤで踏まない為には、切り返しが必要となる)
それにしても糞の数が凄い・・・と気にして見ていると、
ペットのトイレとして使っている人間がかなり居たのだ。
夜、人通りが少なくなると、決まって犬を連れてきて糞をさせる。
勿論、後かたづけなんてしない。
パッとさせてパッと逃げるため、通路の真ん中でさせている。
この野郎・・・と思って、文句を言いに向かうと、逃げる事逃げる事。(確信犯だ)
運悪く見つかってしまえば、詫びてビニール袋に糞を入れる位。
それでも、駐車場管理者の努力(張り紙、立て看板、バリケード)もあり、利用者のクレームも
飼い主を捕まえて直接出される行為もあって、犬の糞は随分減った。
しかし・・・・
猫の糞はなかなか減らないのだ。
何故か?
猫が集会場に使っているからだ。
何故、猫が集まるのか・・・と観察してみると、
かなりの数のエサが、置かれている事に気付く。
そう、駐車場に、猫の餌をやりにくる人が少なからず居るのだ。
猫は餌とトイレがあるから、自然に集まる。
そして野良だから、人が近付けば逃げてしまう。
コレを排除するのは、相当に大変な事なのだ。
だから、犬の次は猫も・・・と、餌やりにくる人を捕まえて文句を言うようになる。
猫が好きなら、自分で飼うべきだ。
猫が飼えないから・・と野良猫に餌をやるなら、餌の始末もするべきだし、
食べさせた以上糞の始末もして欲しい。(それが、動物に餌を与える人の責任だ)
暑くなると無造作に投げてある餌は腐り、もの凄い腐臭を撒き散らす。
餌に呼び寄せられた猫は数が増え、糞も比例して増える。
さらにカップルができ、そこはどんどんコロニーのようになってしまうのだ。
まず、聞こえるようにこう言った。
「オイオイ、餌やるなよ~」
普通こう言った瞬間、餌やりにきた人は「私は知りません」という顔をして、
餌をやらずにとっとと帰っていく。
だからこそ、聞こえるように恐めの声で言うのだが、今日は違った。
堂々、餌をやりだすのだ。
「ここで、猫に餌をやらないでください。
入り口の看板が読めますよね?
猫の糞でもの凄く迷惑しているんですよ! わかりませんか?」
「ちょっとお母さん、ダメだよ・・・」
「・・あぁ、ごめんなさい、ごめんなさい、やりません・・・」
「いいからすぐ出ていってください!」
「わかりました・・・」
猫が可愛くて、餌をやれば寄ってきてくれるから、猫好きな人にとっては楽しい事だろう。
野良で餌が無くて餓死したら可哀想だ、と言う人もいるかも知れない。
だけどそれは、野良を増やす行為でしか無いのだ。
「避妊手術をすればいいでしょ?」と言う人もいるが、それなら糞も掃除してから言ってくれ。
(そこまで猫の面倒をみれる人だったら、自分で飼っているだろう・・と思うが)
今、その瞬間だけの楽しさを求め、その結果がどうなろうと関係ない・・という無責任な人は、
餌やりにくる人の年齢を見る限り「時代のせい」ではないように感じる。
モラルが低下し、他人に迷惑をかける事を何とも思わないのは、
「品の問題」と決めつけるだけではどうにもならない程、自分勝手が蔓延している事。
お店に入る時、当たり前な顔をして無言でいる人は多いが、海外でそれをやると泥棒に間違われる。
挨拶一つするだけで関係が始まるのは解っていても、モラルの低下からかちっぽけなプライドのせいか、
見ず知らずの人(お店)に挨拶をしない人が多いように感じている。
私はタクシーを使う時、必ず「お願いします」と声をかける。
大概のドライバーは驚き、そして途端にフレンドリーになる。
その反応を多く見る度、間違いなく挨拶しない文化に染まっているな・・・と感じてしまう。
でも逆に、挨拶するだけで良くしてくれるから、私的には嬉しい事でもあるのだが(^_^;)
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