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Malt Crazy
道楽もほどほどに
日記的雑感
 
 

dog or cat

「アナタって猫みたいね」

「へ?
 犬みたいだって言われる事は多いけど・・・」

「だってさ、自分の気が向いた時だけ来てワガママに振る舞うし、
 夜は仲間と集会して私は無視だし、自分にとって都合の良い環境に身を置くし・・・」

「なるほど・・・
 ワガママだし、夜中に活動する事は多いし、夜集会するし・・・」

「ね?
 アナタって猫と同じ活動パターンなのよ。
 お腹空いた時だけウチに来てご飯食べて、
 でも、普段はどこでどうやって食べてるのかも解らないじゃない?」

「オイオイ・・
 そりゃ、言い過ぎでしょ?」

「そうね。
 気が向いた時、好きな店で食べているのに、
 私はちっとも誘ってもらえない・・・って言えば、いいかしら?」

「何、食いたいの?」

「フレッシュネスバーガー」

「はぁ?」

「なんか、一人じゃ行きにくいのよ」

「牛丼屋じゃあるまいし」

「私から見れば、同じ様なものよ」

「それらなら、もっと珍しいハンバーガーが・・・」

「アソコの黄色いバンズが恋しいの」

「ま、いいけど。
 でも、一人じゃ嫌なら友達と行けばいいじゃん」

「わかって無いのね。
 職場じゃ、私はそういう所には行かない人ってカテゴライズされてるのよ。」

「あぁ・・・なるほど。」


勝手気ままに生きる事は、難しい。

社会には厳然とした階級が存在し、明確にそれを意識する場合
生息できる場所は限定されるものの楽で楽しい物になる。

その階級を意に介さずワガママに振る舞えば、明確に攻撃を受け、場合によっては排除されるから、
階級に応じた対応や常識を理解した上で行動しない奴は、ただのバカか経験不足の若者だけだろう。


「あのさ、外から丸見えのこの席で、
 君にとって日頃は絶対食べられない下品な食べ物をさ、
 俺みたいな奴と食ってて同僚に見られても平気なの?」

「いいのよ、アナタが居れば。
 最近都合のいい事にスーツ着ててくれるしね」

「看板姿じゃ、一緒に居たくもない・・・と?」

「あはは。 オフタイムだからいいけね。
 ただ『アナタのご友人はユニークね』と言われるのは、ちょっと嫌かな」

「アハハ・・・嫌ってんじゃん。
 じゃ、スーツさえ着てればいいんだ?」

「違うわ。
 スーツにも色々あるでしょ?」

「わからんね」

「そうね・・・
 強いて言えば、安物の吊しじゃダメって事よ」

「似合えばいいじゃん」

「そうね・・・
 でも、吊しが似合う人は、スーツの着こなしに長けていて、しかもサイズが合ってる人だけ。
 アナタの体型じゃどう見ても無理・・・よ」

「俺が似合うかどうかの話じゃなくて・・・」

「ビジネスマンにとってスーツは戦闘服。
 だから、そのスーツにどう拘るかで、その男の考え方がわかるのよ。
 アナタみたいに良い生地を使ってオーダーしているのが基本ね」

「厳しいですねぇ・・・
 俺は胸とケツがデカイから、仕方なしにオーダーするのさ。」

「それだけじゃないでしょ?
 生地の選び方だけじゃなくて、靴やタイにもアナタ流があるからいいの。
 吊しでいい人は、その人流が無い事が多くて、おまけに安物っぽいのがバレバレ。
 ま、靴とタイで大体その人のスタイルが解るけど・・・」

「いいじゃん、仕事できれば。」

「ダ〜メ
 貧乏臭い奴と一緒にいたら、コッチ同じに見えちゃうでしょ?」

「じゃ・・さ、凄く良いスーツとか着てる奴だったら良いわけ?」

「良いかも」

「はぁ?」

「冗談よ。
 良い物着ても似合わない奴はダメ。
 結局その人の持つ雰囲気って、生き方その物。
 ただ、吊しでいい・・・という人って、幅の狭い人が多いのは事実よ。」


幅が狭くたって仕事できればいいじゃねぇか・・・と思いながら聞いていたが、
楽しそうにサルサバーガーを頬張る彼女の表情が随分楽になっているのに気付く。

きっと、上下関係や仕事の事ばかりに振り回され、その非人間的な環境に立ち向かう為に、
彼女はそういった見方や考え方をするようになったのだろう。

飼い主に忠実な犬を演じながら、
どこかで飼われていながら勝手気ままに生きる猫に憧れる。

そう考えれば、彼女の言ってきた事がなんとなく解ってくる。


「猫に見える」というのは、誉め言葉だったらしい。

 
 
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